8MATO
8MATO
「森とひとつながりの広いオープンテラスで、心地よい風を感じながら、仕事や学び、会話を楽しめる空間を作りたい」
神社の杜のワーキングプレイス 8MATO(やまと)には、「山とともに」という想いが込められています。「8」には、無限の可能性と八ヶ岳の大自然のイメージが重なります。室内よりも広いデッキに架かる大きな屋根は、雨もまた楽しい時間にしてくれます。石場建ての上に架かる貫(ぬき)構造は、まるで京都の清水寺のような迫力です。キッチン、トイレ、シャワールーム、Wifiを完備。森の自然の傾斜をそのまま活かしたワーキングプレイスに、素朴屋の職人技が、静かで力強い存在感を醸し出しています。
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施工年月2022年8月
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所在地山梨県北杜市大泉町
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延床面積174.1㎡
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階数平家
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構造木造
建屋とテラス全体に大屋根の載せる構造。建物内のカフェスペースと贅沢な程広いテラスがひとつながりになって、大きなワーキングスペースになります。大屋根の棟木は12m。5本のカラ松をボルトや金具は使わず、金輪継ぎという伝統工法でつなぎ合わせています。大きな一枚ガラスのドアは、室内からも外の景色を遮りません。
自然石の上に柱をそえる石場建て、その上の、懸造(かけづくり)、貫(ぬき)構造が特徴です。懸造は、崖などの高低差が大きい土地に、長い柱や貫で床下を固定してその上に建物を建てる建築様式。貫(ぬき)構造は、木造建築で柱等の垂直材間に通す水平材のこと。それぞれ大仏殿建造など、強固な建築の匠の技術の一つです。88個の束石と108本の金輪継ぎの細工数は、屋号にちなんだ縁起のいい数字が続きます。
大屋根の柱で使用しているカラ松、曲がり梁で使用している赤松材は、この森で切り出し製材されたもの。登り梁、柱を2つの曲がり梁で挟んで大きなボルトで固定する「素朴屋的ダブルビーム工法」も見どころの一つ。テラスは、地上から4m近くあり、広々としたツリーハウス、野鳥の目線をご体験いただけます。
梁、柱、登り梁で構成された三角のトラスは、群馬県富岡製糸場のような作りになっています。素朴屋の加工場も同じような構造で作られており、柱を少なく大きな開口を必要とする大きな建物などで活用されます。細長い4mの横スリットの窓からも太陽光、自然の景色が溢れていています。
建物の名称の由来にもなっている水屋棟とは、本来、食器棚、茶室の水回り、社寺の参手洗い場、御手洗を意味します。滞在型のワークプレイスには欠かせないトイレ、シャワールームも完備。広々としたロフトも開放的です。洗面台、棚なども無垢な素材を活用しています。
室内でもくつろげるように設置されたカウンターとキッチン。モルタルの壁が渋い仕上がりになっています。本棚、天井裏収納も充実しています。