整える家
整える家
素朴さと大開口を追求した大建築物
景観を意識し、リビング、二階の個室からは名山が一望できるよう、大きな開口の木製建具にこだわった。それはまるで天然の美術館、木枠の額縁に収まった絵画のよう。白漆喰に黒炭を混ぜて調合しトーンダウンさせた内壁は外の景色がはっきりと映し出されるように仕上がった。大きなリビングの開放感、繊細な手仕事が際立つキッチンやサニタリーの家具のほか、今回は素朴屋のシンボルでもある曲がった太鼓梁を階段としても活用し、広いリビングに横断させた。土壁下地、漆喰仕上げの塗壁、また三和土で仕上げた土間たたきの玄関と吹き抜けの開放感は、しばらくの間、玄関で思わず立ち止まってしまうほど神秘的な空間となった。
心落ち着く神棚を備えた畳部屋、寝室、ガレージなど、お施主様の多彩なご希望の全てを叶えるのはもちろんのこと、それを伝統工法の建築的合理性に合致させながら、迫力と繊細さを兼ね備えた豊かな空間構成で回答した。
素朴屋チーム総出で具現化した、まさに自社設計、自社施工の賜物となった。土壁を下地に使う為にこしらえた木摺り（きずり）の下地、シェイク（レッドシダー）の屋根葺き作業は、一枚一枚気持ちを込めて行った。
基礎に竹炭を入れ、土壌に焼き杭水の通り道を確保するなど、庭の造作、土中改良にもこだわった。
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施工年月2024年2月
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所在地山梨県北杜市長坂町
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延床面積1階211.99㎡ 2階72.87㎡
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階数2階
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構造木造板葺き2階建
土壁仕上げの吹き抜け玄関。
昔ならではの三和土たたきで仕上げた土間は、神秘的な居心地の良さ。Rのドア枠で洞窟のような雰囲気も。
昔ならではの三和土たたきで仕上げた土間は、神秘的な居心地の良さ。Rのドア枠で洞窟のような雰囲気も。
玄関を見上げると窓からの灯りと、個性ある原木がお出迎え。力強さもありつつ、小ぶりな太鼓張りは可愛らしさも備わっている。
四季を感じることができるリビング。
春夏秋冬、時間によって様々な表情を見せる為、飽きがこない空間に。
春夏秋冬、時間によって様々な表情を見せる為、飽きがこない空間に。
太鼓張りをふんだんに活用。今回は、素朴屋のシンボルの一つ太鼓張りを階段としても使用。階段という導線として納めるのではなく、あくまでも部屋の中心に横断させることで存在感を強調した。
木の上に段板を置くだけのシンプルな作り。無垢な木材とアイアンは素朴屋の建築に良く合う。
全開放できる大開口の木製建具。
目の前の庭、森は新緑、紅葉を楽しめ、冬になると葉が落ちた隙間から全ての山々が見渡せる。
雪景色も神秘的。
目の前の庭、森は新緑、紅葉を楽しめ、冬になると葉が落ちた隙間から全ての山々が見渡せる。
雪景色も神秘的。
水に強く固いアフリカのモアビと奇跡的に出会う。長さ5m、幅1mの一枚板を大工8人で現場に運び入れた程。磨けば磨くほど表情を変えていった。人肌のように柔らかく体温を感じる木肌。しっとりとした手触りはもはや木ではないような質感。優しく迎え入れる母なるキッチンの出来上がり。
洗面台
天板はチェリーを使用。素直で上質な木目。
天板はチェリーを使用。素直で上質な木目。
シンプルな作りの洗面台。収納スペースはクリ材。
アイロン台。天板は、ウォールナット。
躍動感のある杢目を渋く活かし、節穴も残した。自然枝の脚も存在感がある。アイロンをかけやすくする為、木の耳の流動的なラインを柔らかいイメージで加工しました。
躍動感のある杢目を渋く活かし、節穴も残した。自然枝の脚も存在感がある。アイロンをかけやすくする為、木の耳の流動的なラインを柔らかいイメージで加工しました。
個室とホールが一体となった空間。玄関の吹き抜けを見下ろせる2階ホールは、特別な空間となっいる。
2Fのすのこ板。一枚一枚張り合わせる。備え付けの一枚板に腰掛ると、ツリーハウスの上にいる高さで大木達の上部を眺めることができる。
梁と同じ目線でもあるため、梁上を愛猫が遊ぶキャットウォークを一日楽しめる癒しの空間に。
梁と同じ目線でもあるため、梁上を愛猫が遊ぶキャットウォークを一日楽しめる癒しの空間に。
琉球畳に座り、心を整える。
思いをはせることをやめて瞑想する場所となる
思いをはせることをやめて瞑想する場所となる
書斎のドアを開けた瞬間の開放感、大開口は、中々写真からでは表現しきれない。L字の大きな一枚板の組み合わせは、デスクワークもはかどること間違いなし。
シンプルで素朴が一番。
棚板が両サイドにあると部屋が狭く感じる為、視覚効果を利用して遠近感が出るように奥に向かうにつれて棚板を狭める工夫をこらしている
シンプルなワンルーム
一枚板、棚板、クローゼットは備え付け
一枚板、棚板、クローゼットは備え付け
畳ベットに上ると、きれいな山々と素敵な屋根が見渡せる特等席に。
廊下を活用した多目的収納スペース
広々としたガレージは、土壁仕上げ。
ガレージとキッチン、サニタリーをつなぐ引き戸は、荷物を運び入れる際に非常に便利。
ガレージとキッチン、サニタリーをつなぐ引き戸は、荷物を運び入れる際に非常に便利。
建具と塗り壁の収まりなど、家全体の模様が異なることも、人の手によって作られた軌跡を感じることができる。同じものはない、というモノづくりの真骨頂
大きな舞台のようなデッキ。出し桁が特徴的
シェイク（レッドシダー）の屋根葺き作業は、一枚一枚気持ちを込めて行った。
石場建のデッキ
