家は建てない。幸せを建てる
家づくりのこだわり建てる
いよいよ家を建てる。刻みは数人で黙々とやるものだが、建て方は賑やかだ。人海戦術である。家の骨格が見えてくる。最後に棟が上がり、上棟となる。アッという間の上棟にお施主様も驚くぜ。内外装の仕上げは淡々と地味な作業で、サッシを使わず建具を木で組むのも根気のいる仕事。でも大工の本領が発揮されるところでもある。素朴屋が建てる家には、住む人の幸せが隅から隅まで詰まっている。そう、幸せをを建てるのだ。
板図とはなんだ
板図とはなんだ
建て方だ。午後イチには棟上げまで終わりたい。素朴屋ではその時、板図なるものが登場する。設計士が書く設計図を、棟梁が番付表に移し替えたものだ。番付表は三尺六尺の一枚の板に描かれる。よって板図。1500年以上の棟梁たちの歴史がこもっている。いろはに、壱弐参四、刻まれた材には、「い壱」とか「ほ四」とか番付が書かれてあり、建て方では板図を見ながら、どんどん材を組んでいくのだ。早い。
笑いつつ緊張せよ
笑いつつ緊張せよ
大勢の大工さんたちが賑やかに建て方を進めている。掛矢(でっかい木またはプラスチックのハンマー)で柱に桁を叩き込む者、クレーンを運転して材をまとめて高いところに運び上げる者、継手(二本の材を繋いで長くする)に込栓(木で作った釘のようなもの)を叩き込む者、組手を四人がかりで組んでいく者たち、みんな楽しそう。でも緊張感を忘れてはならない。いい加減は危険だ。
棟が上がった
棟が上がった
屋根の一番高いところを支える材を棟という。この棟が上がれば建て方は終わりだ。いよいよ「上棟式」だ。晴れてて良かったぜい。神棚を用意し、お施主さんと大工一堂で上棟を祝う。まだ骨組みだけの家の四隅に日本酒と米を供る。そして棟札(守護札であり、その建物の戸籍書。厚板に浄書する)を棟の束柱に縛りつける。最後は素朴屋オリジナルの木遣を唱う。ヨ〜ヨ〜ヨ〜♪
仕上げはつらいぜ
仕上げはつらいぜ
上棟しても、屋根を張るまで休まない。天気も晴れて屋根も張れてひと段落。そのあとは、仕上げの造作。地味な作業を淡々と進めていく。素朴屋ではご希望が多く、ドアや窓、キッチンなどの建具も木で作る。安易にアルミサッシは入れない。これもまた根気のいる仕事である。家のサイズによって変わるが、引き渡しには数か月かかる。