素朴屋の元祖建具職人は、シュウサクくんだ。彼はログビルダーでもある。
今井久志とはカナダでのログビルドで知り合った。ツーといえばカーの仲。
そして素朴屋ナンバーワンの紳士だ。寡黙かつ冷静。沈思黙考の人である。
しかし、建具を刻んでいるときは、静かにうるさい。
何やらぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつ聞こえてくる。
彼の背中を見て建具職人となったヨコグッチャンに輪をかけて、
ぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつ
彼の刻んだ材を組ませていただいたことがあるが、実に緻密。
繊細美という言葉があるなら、彼にこそ相応しいであろう。
ただし、刻むときはぶつぶつうるさい。
見ておくんなまし。シュウサクくんの刻んだ引き戸の框と、そいつを組み込むホゾ穴。
写真ではなかなか伝わらないが、繊細美というやつだ。
顔もなかなか繊細なつくりをしている。髭と眉を剃り落として軽く化粧して、
今時の小綺麗な若者の格好をさせたら、間違いなくジャニーズに入れる。
ギターの名手でもある。カラオケ好きの酔っ払いが、〇〇弾いてくりょ!と頼めば、
GであろうがEであろうが歌う人のコードの合わせて、サラサラと弾いてくれる。
弾き語りの素晴らしさは、言うまでもない。
シュウサクくんは今、今井久志から「次の家では、キッチン作ってや」と
軽〜く命令されることを極度に恐れている。キッチンは大変すぎそうに思われる。
by NORIZO