オイラは相対評価ってやつが生まれてこの方できた試しがない。
常に絶対評価だ。ジジイのくせにガキっぽいと言われる所以だろう。
オイラは大工ではないけれど、この資質は大工には重要なものではないかと思う。
で、
建具だ。
素朴屋に2人目の建具職人の誕生だ。
飛騨高山からやってきた素朴屋2年目の大工ヨコグッチャン。熟練の域だ。
彼が棟梁を務めた新築物件のお施主さんからのたっての希望で
建具をやることになった。
建具は、精度が命。木の性質の見極めも命。刻みの正確さも命。
繊細さと緻密さが要求される。この板材はどっち向きに反ってくるのか?
この支柱になる材はどう捩れるのか?水分の含有量は?
きっちり見極めないと、開かずの扉や、隙間だらけの引き戸が生まれることになる。
二日酔いではできない。目が悪くても無理だ。
そして繊細な建具の材料を削りだす機械は、とても危険だ。
鋭利な刃が4枚も同時に回ったりする。
さらに言えば、物理的に膨大な時間がかかる。
大工もどきのオイラだと、3尺6尺の網戸を張るだけで2時間かかる。
根気と根性と粘り強さと慎重さと、その他もろもろの力が必要だ。
故に、建具職人はいつもいつも材料に向かって、ぶつぶつぶつぶつ独り言を言う。
近くにいると、結構うるさい。
ぶつぶつ言うこと数十日、できた建具をご覧あれ。
by NORIZO