ノミ(鑿)は木材に穴を掘ったり穿ったり、彫刻したりするのに使用される工具です。ノミは、カンナと一緒に、手刻みの作業でよく見かけるものです。
ノミには大きく分けて、叩きノミと突きのみの二つの種類があります。その中で、叩きノミは、木造住宅などの柱材にホゾ穴加工や組手加工を行ったり、仕口加工を行ったりするときに使われるノミです。
ノミの使い方には、注意するところがあります。ノミを使う前に鉄で出来た太い指輪みたいな形をしたカツラを調整しなければなりません。
叩きノミはゲンノウ(玄翁)によって、柄の頭を叩いて使いますが、柄の割れを防ぐためにカツラがあります。カツラは、柄の頭を叩かれることによって水平に落ちていき、頭から常に一定の所になくてなりません。(ゲンノウが柄の頭に当たらないと、力が刃先に伝わりません)
① 丸ヤスリで内側を削って丸みを付け、カツラが落ちやすくします。
② 柄の頭を木殺ししてカツラが入りやすくします。
③ 刃を節に打ち込み、カツラの全周をまんべんなく叩いて入れ、柄の頭をつぶしてカツラを覆うようにします。
また、ホゾ穴を作るときの使用手順は下記の通りです。
① 穴を空ける位置を決めて、材料に線を入れます(墨付け)
② ノミを垂直にして、玄翁で叩いて堀り線を入れます。①で入れた線の2㎜内側に堀り線。
③ 周囲に堀り線を入れ終えたら、次に堀り線に向かってノミを傾けて入れて、少しずつ掘っていきます。
④ 最初に入れた堀り線に何度ノミを垂直にして叩き入れ、深くしていきます。再びノミを傾けて叩きこんで、さらに深く掘っていきます。
⑤ 上記のように、掘り線を垂直に深くしながら、ノミを傾けて叩き込んで穴を掘っていきます。
~ Soboku Rin in Hanoi ~
参考サイト:kagu-diy.com
参考文献:棟梁に学ぶ家グループ(1990)『木造伝統工法 基本と実践』彰国社