この春、数件、地鎮祭を実施しました。
地鎮祭はその土地に住居を建て始める前に、土地の神様を鎮め、建築物を建てる際に安全を祈念するために行います。素朴屋敷地の南側に広がる八嶽神社(やつがたけじんじゃ)の神主様にはいつも大変お世話になっています。
そしていよいよ建て方。
建築において、柱や梁など建物の基本構造が完成し、家の最上部で屋根を支える“棟木“(むなぎ)と呼ばれる木材を取りつけることを指します。地域によっては、上棟(じょうとう)、棟上げ(むねあげ)、建前(たてまえ)、建舞(たてまい)などとも呼ばれています。
無事上棟した後は、棟上げを祝い、無事に竣工するように祈願する上棟式を行います。上棟式はお施主様の意向に合わせて取り扱い、もちろん実施されない時もあります。
取り行う際は、静粛に、かつお施主様と素朴屋との晴れやかで素敵な交流の場になり、盛り上がります。素朴屋の迫力ある構造を見ながら、建築話に花が咲く。
建て方は、大工の一番の腕の見せ所。
当日腕を見せることはもちろん、構造材に墨を付け、刻むところから既に数か月前から始まっています。設計、木材を見定める意味ではもっと前から始まっていると言っても過言ではありません。
お施主様、大工、設計、現場管理と一丸となって計画。お施主様の想いをカタチに、設計士は図面を起こし、大工は板図を起こし、現場管理は工程表にそれらを起こす。手で墨付けし、刻み、揃える。仮組は別として、本番を迎えるまでの消えないプレッシャーは計り知れません。それが手仕事の醍醐味、達成感でもあり、一生に一度の一つだけの建物を作るということの緊張感とも言えます。この一大イベントを終え、一呼吸。そのあと、ゆっくりとペースをあげ、外観、内観を下地から仕上げる作業に入ります。
建て方に挑む素朴屋大工の阿吽(あうん)の呼吸は、いつ見ても惚れ惚れします。
個人的なお話ですが、このメンバーに家を建て欲しい、と思っています。
閑話休題。
昔は日本国内で、よく行われていた上棟式の際の餅投げ(餅まき)行事。
最近ではほとんど見かけない行事となっていたので、素朴屋としてはぜひ行いたいと自社の加工場の上棟式の際に実施しました。地域の皆様あって素朴屋であり、ご挨拶も兼ねて、僭越ながら、謙虚に、そしてド派手に取り行いました。
下記の動画をご覧ください。
皆様のおかげで素朴屋が成り立っております。
今後ともよろしくお願いいたします。