2022年10月、素朴屋に一通のメールが届いた。
彼女の名前はセルバ。
ドイツのベルリンから日本に来た設計士。
ある建築プロジェクトを実行するために日本にやってきた。以前、日本に留学に来ていて馴染みもあり、そして何より建築家として日本建築に関心を抱いていた。
Webサイトを見て素朴屋の門を叩いてくれた。
なんとも世界は近い。
セルバがやりたいことは、日本の伝統的な木造建築を軸に、日本で材を調達し、加工し、ドイツに送り家を建てるというプロジェクト。工務店として材選びから建築まで一覧の作業を行っている素朴屋に魅力を感じてくれた。
そのためにまず、現場に入りたい。
大工、手作業を理解することは、これからも設計士として活躍したいと考えるセルバにとっては非常に重要な時間だという熱意を受け、素朴屋で3か月間受け入れることとなった。
と、ストーリーを語っておきながら、大工作業の前にまずは解体現場の力作業から。
リノベーションなど、お施主様のご要望に合わせて、幅広い建築も行っている。
初日から寒い地域で体を使って汗を流す。慣れない地域での生活と仕事によって彼女は疲れていたようにも見えたが、その時間も彼女にとって大事な時間となった(はず)。
残りの時間は、自身のプロジェクトのことをイメージしながら、加工作業を行い、きめ細かい手作業も垣間見えた。
謙虚に頑張っている姿を大工の信頼も集まり、みるみるうちに日本語が上達していて、お茶の時間のたわいもない会話も弾んでいた。
まだまだプロジェクトは進行中。
困り事は素朴屋に相談したいと、何かあったら協力します、と関係性も築けた。セルバのプロジェクトは非常に夢があり、かつ課題も多い。現地での施工できる大工さんも日本で見つけたいとも思って探しているそう。素朴屋での3か月はあっという間だったと思うが、プロジェクトに集中できた3か月であったことを切に願う。
最後の出勤日は全体のミーティングに合わせて、日本語でご挨拶。また3か月を振り返った想いのこもったメッセージ。そして、ドイツのご当地ケーキをふるまってくれた。
個人的には、素朴屋登山スノー部での活動、カタールサッカーワールドカップ日本vsドイツ戦を一緒に観戦したことが、とても良い思い出。
新年に向けた忘年会でも、セルバのアツい思いが聞けてよかったです。これからも応援してます。