友達歴50年。

高校を卒業して別の道へ。

このような話は、ほとんどの人が経験する、当たり前のことかも知れない。

地元の幼馴染、学生の時の同級生、クラブ活動の仲間、バイトの同僚、元上司、ずっと一緒にいた家族でも。

あの時、その環境の中でずっと一緒にいた親友も、今では思い出と共に心の中にあるだけ。

若い時の淡い思い出は、忘れたい過去かも知れないし、または忘れていた感覚や笑顔を思い出すきっかけになるかもしれない。

大人になり、新しい出会い、仲間、コミュニティに囲まれ、変化しながら過ごしていくのが人生。出会いがあり、別れがあり、また出会いがある。大海原には無限と待っている。

今の時代、50年前とは異なり、スマートフォン（小さいパソコン）で何でも完結する。

連絡も早くて気軽。転校しても、引っ越ししても、音信不通にならない時代。素朴屋の海外出張、店舗拡大が実現できるのも時代の変化のおかげ。良くも悪くも出会いと別れもあっさりしている。

そういう便利さがなかった時代の二人が、今でも対面でつながり、困った時には連絡を取りかけつけてくれている。何の因果か、「素朴屋」を共通点にして、同じモノを作る為に、集まった。過ぎてしまえば、とても短い時間だったかも知れないが、その場にいたスタッフに想い出話をしている二人を見て、とても感慨深い時間を過ごすことができた。

人は一人では生きていけない。関係が深かろうが浅かろうが関係ない。人こそが人を支援でき、成長もさせてくれる。あっさりしている出会いも、決して人生に直結しない話だったとしても。

家も人生の大きな一部。

建物や部材をロボットが作ってくれる時代だとしても、手作業、人にしかできないことはある。機能性ある「住まいとしての家」も、育てていく「暮らしとしての家」も

決して一人では家は建てれない。

もうすぐ、春がやってくる。

人と木。ひととき。手で刻む。

素朴屋はそんなモノづくりを追求していきたいと思う。