素朴屋の仕事納めは毎年12月28日。
少し前まで素朴屋は、昼間から近くの蕎麦屋で酒を飲んでいた。
小さなテーブルに3人、現場のことや互いの家族について話す、それがわたしたちの忘年会だった。
少し前まで素朴屋は、掘立て小屋が仕事場だった。
1日で作った小さな屋根の下で、何十年も使う建物を作っていた。フォークリフトも倉庫もなく、人力だけで全てが賄われた。傍目には何をやっている会社なのか全くわからなかった。
少し前まで素朴屋は、働く人は日本人だけで、日本人が日本人のために日本だけで仕事をしていた。
海外に現地法人を設立するなどということは想像すらできず、今がずっと続くと考えていた。
少し前まで素朴屋には、先を眺める余裕もなく、心躍る野望もなく、温もりのあるアイデアもなく、ただひたすら今を守るだけだった。
そう、少し前からわたしたちは変化してきました。
そして、今年もわたしたちは、少し前と違う姿になることを恐れず、邁進していきます。
ただ、時に、変化は寂しさを伴います。
その寂しさを足元を見つめる契機としてのみこみ、前を向き、地を蹴り、腕を振ります。
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
2023年元日
素朴屋株式会社
代表取締役 今井久志